「マラソンは歩いたら負け」の呪縛。激坂の三浦ハーフを“上り全歩き”して気づいた、市民ランナーの罠

「マラソン大会に出たからには、最後まで絶対に歩いちゃダメだ」 「歩いたら負け。足を止めたら今までの練習が……」

市民ランナーの方とお話ししていると、そんなストイックな声をよく耳にします。しかし、本当に「歩くこと=悪」なのでしょうか?

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)で三浦海岸を走るランナーたち

こんにちは、鎌倉でトレイルランニングのガイドをしているトレイルです。

先日、約1年半ぶりにロードの大会「三浦国際市民マラソン(ハーフ)」に参加してきました。そこで私が実践したのは、「上り坂が現れたら、迷わず全部歩く」という非常識とも言えるマイルールです。

結果として、タイムこそ平凡でしたが、かつてないほど疲労感なく、最高の景色を心から楽しみ尽くすことができました。今回は、トレイルランナーの視点から、多くの市民ランナーが陥りがちな「歩いてはいけない呪縛」を解く、新しいマラソンの楽しみ方をご提案します。

タイム狙いは絶望的? 「激坂だらけ」のコースが教えてくれること

今回私が参加した三浦国際市民マラソンは、約1万人規模のランナーが集まる超人気大会です(会場には冬季オリンピックのフィギュアスケートの解説で大ブレイクした高橋成美さんもアンバサダーとして駆けつけており、ものすごい熱気でした)。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)大会アンバサダーの冬季オリンピックのフィギュアスケートの解説で大ブレイクした高橋成美さん

しかしこの大会、ランナー界隈では「とにかくアップダウンが激しいコース」として有名です。実際に走ってみると、噂以上に容赦のない坂道が次々と襲いかかってきました。自己ベストを狙うようなフラットなコースとは無縁の世界です。

周りのランナーたちは、息をゼーゼーと切らし、顔を歪めながらも「絶対に歩かないぞ」と歯を食いしばって激坂を駆け上がっていきます。

一方の私はどうしたか? 上り坂が見えた瞬間、スパッと走るのをやめ、大股で歩き始めました。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)で激坂を走るランナーたち

トレラン界の常識「上りは歩いて、平地と下りを楽しむ」

山を走るトレイルランニングの世界では、「急な上り坂は歩く」というのがごく当たり前のセオリーです。無理に走って体力を消耗するより、歩いて心拍数を整え、その後の走りやすい平地や下り坂で風を感じながら軽快に飛ばす方が、結果的にトータルのペースも安定し、何より「走っていて楽しい」からです。

私はこのトレランスタイルをロードレースにも持ち込みました。

するとどうでしょう。上りを歩くことで体力が温存されるため、高低差が生み出す三浦の絶景——眼下に広がるキラキラした海、遠くに見える雄大な富士山、美しい街並み——を、息を乱すことなくじっくりと堪能できたのです。

ロードの大会で、これほどまでに「景色がダントツで楽しい」と感じたのは初めての経験でした。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)を走るランナーたち
三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)で富士山を眺めながら走るランナーたち
三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)で三浦海岸を走るランナーたち

「歩くこと」は敗北ではなく、立派な戦略である

もちろん、己の限界に挑戦し、1秒でもタイムを縮めるために坂を駆け上がる達成感も素晴らしいものです。それを否定するつもりは全くありません。

しかし、「歩いてはいけない」という謎のプレッシャーのせいで、せっかくの絶景を見逃したり、走ること自体が辛くなってランニングをやめてしまうのだとしたら、それはすごくもったいないことです。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)の三浦海岸
三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)でトンネルを走るランナーたち
三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)のキャベツ畑

「きついところは歩いて、気持ちいいところだけを走る」

これは決して逃げではなく、怪我なく、長くランニングライフを楽しむための立派な「戦略」です。事実、上りを全歩きした私でも無事にハーフマラソンを完走し、ゴール後は友人たちと極上の「打ち上げビール」を味わう余力がたっぷり残っていました。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)完走後に飲むビールがうまい

まとめ:走ることを、もっと自由な「大人の遠足」へ

もしあなたが、「最近走るのが苦しいな」と感じていたり、初めての大会で完走できるか不安に思っているなら、ぜひ次回のランニングで「戦略的に歩く」ことを取り入れてみてください。

「上り坂は歩く」と決めてしまうだけで、走ることは苦しい修行から、景色と空気を味わう最高の「大人の遠足」へと劇的に変わります。タイムや常識に縛られない、自由で楽しい「走る旅」の魅力に気づくはずです。

三浦国際市民マラソン(三浦ハーフ)で三浦海岸を走る

「歩いてもいい」トレイルランニング、始めてみませんか?

私が主催する「鎌倉スロートレイル」では、この「上りは歩いて、気持ちいいところだけを走る」というスタイルをベースに、初心者向けのトレイルランニングツアーを毎週末開催しています。

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